2025年2月17日に開催された「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」において、分野別運用方針の改正(案)についても修正が行われました。
介護分野・工業製品製造業分野・外食業分野に関するアップデートを簡潔に整理してみましょう。
❶分野別運用方針の修正
◇ 訪問介護の要件を明確化◇
・訪問系サービスへの従事を認める
・介護職員初任者研修課程等を修了し、実務経験が 1年以上 ある特定技能外国人のみが訪問介護業務に従事できる
・受け入れる企業は、一定の事項を遵守する
❷今後の対応
◇ハラスメント防止策の強化◇
・受入事業者に対し、対応マニュアルの作成・管理者の役割明確化を求める
・ハラスメント発生時のルール整備、利用者や家族への周知
・ハラスメント発生時の迅速な報告・対応の仕組みを構築
◇外国人介護人材の相談・支援体制の強化◇
・JICWELS(国際厚生事業団)による相談窓口を 2024年度末までに体制強化
・受入事業者がトラブルを把握した場合、外国人介護人材が適切な転籍を行えるよう支援
❶分野別運用方針の修正
◇特定技能所属機関の要件を明確化◇
・新たな民間団体を設立し、特定技能所属機関のルール策定を行う
❷今後の対応
◇新たな民間団体の設置◇
・国が主体で関与し、産業ごとの実態に合わせ、特定技能所属機関の要件などをルール策定を進める。
・既存の団体とは別に、新たな団体を設立
・関係省庁が主体となって運営
◇試験の作成・実施の透明化◇
・試験の作成・実施を民間団体が行う仕組みを検討
・事業者が試験問題に関与しない仕組みを検討
◇業界関係者への丁寧な説明◇
・追加負担が生じるため、業界や特定技能所属機関に対して十分な説明を行い、理解を得る
◇賃金アップや生産性向上の取り組みを具体化◇
・特定技能外国人の受け入れ企業に対して賃金アップなどの取り組みを促進
❶分野別運用方針の修正
◇風俗営業に関する業務の明確化◇
・風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないことを明示
・「接待」の定義を明確化し、実態把握を進める
❷今後の対応
◇風俗営業許可施設での雇用制限◇
・特定技能外国人の就労が認められない施設、場所を特定する
・旅館・ホテルのような施設も個別に判断し、風営法の許可を得た旅館て、ホテルにおける特定技能外国人の飲食提供全般に係る就労を認める。
(例: 宴会場などで接待業務が行われる場合は不可だが、通常のレストラン業務は許可される といった具体的な判断基準が示される予定です。)
◇ハラスメント防止策の周知◇
・ハラスメント防止の事業者向けマニュアル作成
・相談体制の整備
・監督・指導の強化
・所属機関や業界団体に対し、厳格な指導を実施
介護分野において、いよいよ解禁される訪問系サービス。密室性が高まる職種のため、ハラスメント防止や相談支援体制の強化は絶対必要条件だったと言えるでしょう。外国人材が安心して就労出来る改正となりそうです。
とは言え、2026年までに約25万人の新規介護職員の確保が求められている介護業界の本当のニーズに応えるものとなるのか課題は多そうです。
というのも、「初任者研修課程」は、原則として国内で受講となるため、訪問系サービスへの従事は、既に国内にいる人が対象になると考えられます。 海外から来た外国人が、国内で初任者研修課程修了+実務経験1年の条件を満たし、特定技能資格を得るのは現実的でなく、実際には雇用出来る人材が増えないとの指摘もあります。
今後、初任者研修課程の受講機会の拡充や、海外での研修受講可否が検討される可能性があります。また初任者研修課程”等”の”等”に何が含まれるのかもまだ不明なため、引き続きアップデートの動向を注視する必要があります。。