外国人労働者の働く場広がる? 「特定技能」4分野追加へ
政府は2月22日、深刻な人手不足の問題を抱える産業への支援目的として、特定技能1号ビザを通じた外国人労働者の受け入れ枠を拡大することを決定しました。
追加検討分野は「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野です。
実現すれば既存の12分野から16分野に働く場が広がります。分野が追加されれば、2019年の制度創設以来初めての動きです。外国人労働者の受け入れを通じて、労働力アップと産業の持続性キープが期待されています。
それぞれの業種において、下記のような業務が想定されます。
◆自動車運送業
想定業務:トラック、タクシー、バスのドライバー
◆鉄道
想定業務:運転士、車掌、駅係員、車両製造の技術者、電気設備の整備
◆林業
想定業務:育林・素材生産作業
◆木材産業
想定業務:木材加工、製材業
接客や運転指令があるバス、タクシーの運転手、鉄道運転士、車掌、駅係員は他分野より高い日本語能力を課すとしています。
将来的に4分野も2号への移行が可能になるかどうかはまだ明らかにされていません。
▶︎追加はいつ?
政府は23年度中(来月)までに4分野の追加を正式決定することを目指しています。
実際にどの分野が追加され、どのような変更が行われるのかは今後明らかになっていくでしょう。
今後数ヶ月内に具体的なガイドラインが示され、実施へ動いていくと見られます。
▶︎追加検討の課題
特に慎重論があるのは自動車運送業です。
24年4月に運転手の残業時間の上限が規制され、物流が滞る「2024年問題」が懸念されており、外国人労働者に期待を寄せる声は業界内で根強いです。とはいえ、外国人労働者にとって日本の道路事情や複雑な交通ルールを理解することは簡単ではありません。そんな中での安全性の整備がきちんとなされるのか、課題視されています。
▷既存分野でも業務追加検討へ
今回の政府方針案には、既存分野への業務追加検討も盛り込まれています。
例えば
「飲食料品製造業」に スーパーでの惣菜調理
「産業機械製造業」に 繊維や印刷
「育成就労」では、特定技能と受け入れ分野を一致させることになっているため、対応が求められていた分野で改正が期待されています。