在留資格「特定技能」に「自動車運送業」を追加検討
2023年9月13日のニュースにあったように、
国土交通省は外国人労働者を受け入れる在留資格制度「特定技能」にトラック・タクシー・バスの運転手といった「自動車運送業」を新たな分野として追加するため、出入国在留管理庁など関係省庁との協議を始めました。
2023年度中の実現を目指しており、追加が認められれば「特定技能」制度が2019年に創設されて以来初めてのことになります。(現時点では、建設・介護・農業・外食業など12分野)
《「自動車運送業」の追加が検討され始めた理由》
その背景には、トラック・タクシー・バス3業界ともに運転手不足の深刻さが挙げられます。
インターネットでの商品購入による配送量の増加、コロナ禍での高齢ドライバーを中心とした相次ぐ退職などにより運送業界では慢性的な人手不足が見られています。
トラック・タクシー・バスそれぞれの業界団体は運転手を確保するため、外国人労働者を運転手として雇用できるよう在留資格の「特定技能」に「自動車運送業」も対象とするよう求めています。
《追加により期待できること》
注目されている「2024年問題」(物流分野)の解消に繋がるかもしれません。
2024年4月からは運転手の時間外労働の上限が年960時間に規制されることもあり、運転手不足に拍車がかかり物流が停滞することが不安視されています。
政府も人材確保が急務であることを認識しており、「2024年問題」の対策として「外国人材の活用」を挙げています。
外国人運転手の活用により人材不足が早急に緩和・解消されることが期待されています。
また、タクシーの不足やバス路線の減便・廃止に伴って地域住民や観光客の移動手段不足などの問題が地方だけでなく都心部でも見られるようになっています。
しかし外国人材の雇用により移動手段が充実し、観光客誘致や地域活性化に繋がっていくことも期待されています。
《懸念点》
外国人労働者にとってのハードルは、
免許取得に必要なレベルの日本語能力つまり言語の壁です。
タクシーやバスを運転する場合、旅客の運送が目的のため「二種免許」が必要になります。
バスの場合は大型自動車の二種免許となります。
「一種免許」は英語で学科試験を受けることもできますが、「二種免許」は日本語しかありません。
試験は漢字、そして回りくどい表現(いわゆる引っかけ問題)がたくさん用いられているため、外国人にとって読んで正確に理解するのは至難の業でしょう。
受け入れ機関となる旅客運送企業側は、
外国人労働者が実技試験より学科試験を合格するのに時間を要し、即戦力として働いてもらうことができない可能性もあります。
また、試験費用を負担することや日本語研修(学科試験対策講座・コミュニケーション能力向上講座)などのバックアップ体制を整える必要があるかもしれません。
株式会社InsanaTWmanpowerでは、フィリピン送り出し機関やフィリピン国内の各種専門学校と連携し、
新設される「自動車運送業」にも対応させていただきます。