幅広い活躍が期待される外国人材!特定技能「外食業」採用ガイド
【特定技能「外食業」とは? 受け入れの現状は?】
飲食業界の深刻な人手不足が課題となっています。これに対応するために導入された特定技能「外食業」は、調理だけでなく接客や店舗管理など多様な業務に携わることが可能です。この資格により、業務の幅を広げることで、より即戦力となる人材を確保することが期待されています。
出入国在留管理庁の統計によれば、特定技能「外食業」の外国人は2024年6月末時点で累計20,317人、前年から7000人以上の急激な増加です。特定技能1号の目標受け入れ人数は、2024年度までに53,000人と設定されており、2024年4月からの5年間でも同数の受け入れが見込まれています。
特定技能2号の試験も既に実施されており、受験にはマネジメント経験や店舗管理の補助経験が必要とされています。
【外国人材に任せられる業務】
⚫︎外食業全般
▷主に「飲⾷物調理」、「接客」、「店舗管理」
⚫︎関連業務
▷店舗で提供する食品の原材料の生産、店頭における調理品以外の物品販売、店舗で調理した飲食物のデリバリーなど
⚪︎禁止事項
・関連業務のみの従事( 例えば、“業務内容の一つとして”ならばデリバリーも可能だが、接客や調理等の業務がないデリバリーのみへの従事は不可。)
・風営法に規定されているような接待
▶外食業全般って要するにどんな業務?
「調理」▷客に提供する飲食物の調理・調整・製造。
食材の仕込みから加熱調理、盛り付けまで、一連の調理工程を担当可能。
「接客」▷来店した方へ飲食料品を提供する際に生じる調理以外の業務。
席への案内や予約管理、配膳業務、レジ対応など。
特定技能外国人は、一定の日本語能力に加え、英語など複数言語でコミュニケーションをとれるというアドバンテージがあります。インバウンド客にも柔軟に対応し、リクエストを理解してメニューを提案するなど、外国人ならではの接客スキルを発揮してくれるかもしれません。
「店舗管理」▷飲食店運営のために必要とされる、調理・接客以外の店舗管理業務。
従業員の指導やシフト管理、求人・雇用に関する事務、店内オペレーションの改善提案など、幅広い業務。
【受け入れ企業の条件と注意点】
大手チェーンでも個人経営でも、
日本標準産業分類のうち、「76 飲食店」「77 持ち帰り・配達飲食サービス業」に該当する飲食店であれば受け入れ可能。
飲食サービス業の例: 食堂、レストラン、喫茶店、ファーストフード店、仕出し料理店、テイクアウト専門店(店内で調理した飲食料品を渡す)、宅配専門店(店内で調理した飲食料品をデリバリーする) など
〜ここは注意!〜
◆宿泊施設の配膳・調理の業務のみであればホテルでの就労も可能です。ただし、ホテルのフロントやベッドメイキングなどの業務も含めホテル業務全般を行いたい場合は特定技能「宿泊業」分野が該当します。
【受け入れ企業側に求められること】
①出入国在留管理庁への在留所申請前に「食品産業特定技能協議会」に加入(飲食料品製造業と外食業は同じ協議会に加入)
②農林水産省が主導する調査に必要な協力を行う
③雇用契約前にキャリアアッププラン※を作成し、書面交付で説明。
④ 雇用形態は直接雇用かつフルタイム雇用 (派遣は不可)
※特定技能「外食業」で外国人材を採用する際、キャリアアッププランには大きく分けて以下の6つの項目を含めることが推奨されています。
1. 配属先や業務内容の明示
2. 業務スキルアップをどう習得させるかの提示
3. 日本語能力向上の取り組み
4. 昇進・昇給の基準
5. 特定技能2号への移行支援
6. 職場以外での生活環境整備や支援内容を明示。
。
【外国人労働者に求められること】
①技能水準◆ 「外食業特定技能1号技能測定試験」合格
合格基準点は、学科試験と実技試験で合計得点の65%以上。(ただし、実施方法によっては合格基準の調整が行われることもあるので、あくまで目安)
食品衛生管理・調理作業・調理器具についての知識と技能、接客の基本用語、おもてなしの考え方を理解し、適切に対応できる人材の受け入れを目指す。
②日本語能力◆ 「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」
③ 18歳以上の男女
【外食業界の課題】
都市部のレストランでは、ウエイターやホールを取り仕切るマネージャーが外国人という店も増えてきました。深刻な人手不足対策として頼もしいものですが、現在の外食業界の人手不足の一因には労働環境の厳しさがあります。
この問題は厄介で、人手不足が生み出す負のスパイラルによって生じている場合もあります。お店は人がいないと回りません。人がいないと他の従業員にしわ寄せが来ます。そうすると一人当たりの労働時間が増え、結果的に労働環境の厳しさにつながります。そしてその労働環境の厳しさが、従業員の定着を妨げ人手不足の状態を引き起こすのです。
ですから、外国人材に望みをかけるとしても、労働環境の整備は欠かせません。シフト管理の改善や研修制度の導入など、確保した人材にそのまま定着してもらえるような体制を考えていく必要があります。